勝利後の競馬場には「まつり」がこだました

国民的歌手の北島三郎氏（名義は有限会社大野商事）の所有馬として、広くその名を知られたキタサンブラックは、競走馬としての活躍はもちろんのこと、今では種牡馬としてもその名を後世に知らしめようとしている。

3歳1月のデビュー戦で初勝利をあげたキタサンブラックは、そこからスプリングＳまで無傷の3連勝をあげる。皐月賞では3着、日本ダービーでは14着に敗れるも、秋初戦のセントライト記念を勝利すると、菊花賞でついにクラシック制覇を遂げた。

翌年の大阪杯から手綱を取った武豊騎手は、キタサンブラックには逃げの手が合うと判断。その作戦が功を奏したかのように天皇賞（春）を逃げ切ると、ジャパンCでも後続の追撃を振り切って優勝。5歳を迎えると逃げにこだわることなく強さを発揮していき、天皇賞（春）はレースレコードで連覇を達成。不良馬場で行われた天皇賞（秋）は出遅れながらも、他馬が悪化した馬場を嫌い外を回る中、インコースを突いてロスをカバーし勝利を掴む。ラストランとなった有馬記念では、1枠から逃げ切りを決め、見事に花道を飾る。レース終了後には、北島さんの名曲「まつり」が中山競馬場にこだました。

種牡馬入り後には初年度産駒のイクイノックスが、天皇賞（秋）と有馬記念を優勝して父仔制覇を達成。馬産地にも「まつり」が起こっており、種牡馬としてもその名を轟かせている。