「純白の女王」の名にふさわしい美しさと強さで衆目を惹きつけた

ルックスでも強さでも衆目を惹きつけた「純白の女王」ソダシは、シラユキヒメから始まる「白毛一族」の一頭である。

新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年、無傷の4連勝で阪神ジュベナイルフィリーズを優勝。史上初の白毛のＧⅠホースとなった。ゴール前で他馬に前に出られながら差し返すという、負けん気と勝負根性を発揮しての戴冠だった。

それ以来の実戦となった桜花賞を好位から抜け出す強い競馬で制したソダシは、史上8頭目の無敗での桜花賞制覇となり、同時に白毛馬初のクラシックホースとなった。

続くオークスでは8着に敗れたが、対古馬初戦となった札幌記念で、ラヴズオンリーユーやペルシアンナイト、ブラストワンピースといった歴戦のＧⅠ馬を相手に優勝。古馬になってからもフェブラリーＳで3着と健闘し、ヴィクトリアマイルでＧⅠ3勝目を挙げるなど、活躍し続けた。

白毛は、8種類あるサラブレッドの毛色のなかで最も数が少なく、かつてはデビューしただけでニュースになったほどだ。その中からＧⅠを複数勝つ馬が現れたのは「奇跡」と言ってもいいだろう。

美しい姿と強い走りで、コロナ禍に苦しむ人々に元気を与えてくれた。ソダシという馬名はサンスクリット語で「純粋、輝き」という意味。まさに暗い時代に未来を照らす、白い光のような存在だった。