全てをねじ伏せた電撃

ロードカナロアは日本競馬における、スプリンターの地位を高めた。

圧倒的なスピード能力を武器に、芝のスプリント戦において連勝を重ねて、４歳時のスプリンターズＳでは、直線で先に抜け出した前年覇者のカレンチャンを一気に交わし、コースレコードでＧⅠ初制覇を遂げた。

その勢いのまま年末に香港へ遠征し、凱旋門賞よりも勝つことが難しいという声もあった香港スプリントに出走。数々の有力馬が苦汁を飲まされてきたレースであったが、並み居る世界の強豪を相手に、日本調教馬として初めて勝利をあげてみせた。

競走馬として完成を迎えた５歳時には、高松宮記念でレコード勝ちを収め、３歳時以来となるマイル戦となった安田記念でも勝利をあげると、秋にはスプリンターズＳを連覇する。

ラストランとなった香港スプリントでも、同レースの最大着差となる５馬身差をつけ、連覇を達成。その年には、ＪＲＡ賞年度代表馬に選出されただけでなく、ワールドベストレースホースランキングのスプリンター部門でも２位に選出された。

世界にその名を轟かせ、父としては芝ＧⅠ９勝馬のアーモンドアイ、そして、史上初となる父仔香港スプリント制覇を果たしたダノンスマッシュを送り出すなど、世界レベルのスピード能力を産駒たちに伝えている。