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地主さん
尾花さんが競馬を好きになったきっかけはなんだったんですか?
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尾花さん
きっかけは小学校5年生の時に初めて見た競馬のレースですね。1993年の有馬記念、ご存知ですか?
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地主さん
トウカイテイオーの奇跡の復活劇ですね!
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尾花さん
そうです。あの有馬記念の馬券を家族が買っていて、みんなでテレビで見ていたんです。
そのとき初めて競馬を見たんですが、これが奇跡の復活劇で!自分も将来はジョッキーになりたい、と思いました -
岩間さん
初めて競馬を見たその日からジョッキー志望に?
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尾花さん
そうです。でも簡単ではないんですよね。競馬学校は狭き門で、1年目はダメで、それでもあきらめられずに、高校には進学せずに北海道の牧場に住み込みで働いて、翌年も受けようと思ったんですが、身長や体重、視力などで受験自体できなかったんです
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岩間さん
ショック!それからどうされたんですか?
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尾花さん
結局ジョッキーの夢はあきらめて、牧場もやめて実家のある奈良に戻りました。それからはクリエイターとして仕事をはじめました
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岩間さん
クリエイターになられた頃から馬の絵を専門に描かれていたんですか?
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尾花さん
いや、正直競馬に関しては、少し距離を置いていたんです。コロナ禍で自分を見つめ直す時間ができたときに、ふとまた競馬の存在が甦ってきたんですよね。競馬ってどうしても詳しい人だけの世界みたいな印象があって、それを自分の得意なコンテンツやアートの分野で、競馬のクリエイティブをもっとかっこよく、オシャレに変えていきたいと思ったんです
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岩間さん
馬を題材にして描くときのこだわりみたいなものはありますか?
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尾花さん
やはり相手が作品をどう見るか、作品から何を感じるか、という部分を一番に意識していますね。最近の競馬ファンは自らが主体的にレースへの想いを作り上げているような気がしていて、そういうファンの手助けになれるような、躍動感だったり動きだったりを感じられる作品を作りたいと思っています
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地主さん
尾花さんの競馬アートからは馬と騎手が一体になって疾走する臨場感が伝わってきますもんね
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尾花さん
馬の動き方や騎手との一体感については、JRAでも導入されたジョッキーカメラの映像もかなり参考になっていますよ
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岩間さん
これから推し馬を見つけようとしている人にも作品を見てもらいたいですね
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尾花さん
そうですね。競馬はレースの結果を予想するだけじゃなく、馬や騎手を含めたストーリーにも興味を持ってもらいたいんです。自分の作品がそのきっかけになれたらうれしいですね
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地主さん
騎手になりたいと思うほど競馬が好きになった理由というか、ご自身が競馬のどこに一番惹かれたんだと思いますか?
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尾花さん
最初に競馬を見た時から自分の中では変わっていなくて。競馬というのは結局ロマンだと思うんです
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岩間さん
さっきおっしゃっていたトウカイテイオーの復活劇のような?
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尾花さん
そうです。1993年の宝塚記念を目指してトレーニングしていたトウカイテイオーは、3回目の骨折をしてしまうんです。でもその年の有馬記念で奇跡の復活を遂げます。今とは違って医学的にも、骨折後、しかも1年ぶりのレースで勝つっていうのはちょっと考えられなかったんですよね
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地主さん
今でも普通に考えたら無茶ですよ!
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尾花さん
そうですよね。でもそういう奇跡の復活とか、ドラマチックでロマンがあるじゃないですか。
レースの背景にあるドラマを知ることで競馬の面白さって何倍にもなるんじゃないかと思っています
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岩間さん
ちなみに、尾花さんは馬券を買うときには何を参考にして買っていますか?今度初めて競馬場に行くんですが、いくらくらいからどうやって買ったらいいのかわからなくて
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尾花さん
自分なりに予想はしますけど、結局好きな馬を買ってしまいますね。僕は単勝はあまり買わなくて、基本的に3連単です
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地主さん
連単というのは、1着、2着、3着を順位の通りに当てるものなので、当たると配当は大きなものになります
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尾花さん
競馬場に行くとついつい多く買ってしまうのですが、馬券は100円から買えて初心者でも楽しめるのがいいですよね。最初だったらワイドとかがおススメですよ
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地主さん
ワイドは1着、2着、3着の中で順番に関係なく2頭を当てればいい馬券です。倍率は下がりますが、1番当たりやすいと思います
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岩間さん
ワイドですね!参考になります
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地主さん
馬券を買うときに過去のデータを分析したりしますか?
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尾花さん
データは見ますね。前走だけじゃなく、前々走とか、距離とかコースも含めて常に参考にはしています
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地主さん
競馬新聞からデータを得る感じですか?
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尾花さん
そうですね、競馬新聞とか、もちろんレースに出走する馬をあらかじめ見られるパドックも確認します。
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岩間さん
パドックでその日の馬の調子がわかるんですか?
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尾花さん
元気があるかないかくらいは、何回か同じ馬を見ているとわかってくると思いますね
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尾花さん
でもやっぱり競馬ってスポーツで、さっきもお話したとおり、ドラマチックだしロマンがあると思うんです。馬券を買う楽しみももちろんあるんですが、基本的に見たいのはドラマでありロマンなんです
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岩間さん
尾花さんも地主さんみたいに競馬を見て泣いたりするんですか?
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尾花さん
もちろん泣きますよ!GⅠみたいな注目されるレースだけじゃなくて、未勝利戦とか、いわゆる平場のレースなんかでも、ドラマはどこにでもありますから
推し馬を自ら育てるという
ロマン
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地主さん
尾花さんの推し馬はいますか?
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尾花さん
僕の中ではどうしてもずっとトウカイテイオー推しなんですよね
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岩間さん
やっぱりそうですか!
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尾花さん
これを超える馬はなかなか出てこないんじゃないかなって思っています。でも実は僕、現役の競走馬を持っているんですけど、引退した馬も4頭持っていて。そのうちの1頭に先々週仔馬が生まれました。この子にいつか勝ってもらって、推し馬になってもらいたいんですよね
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岩間さん
推しを育てるって、素敵な夢ですね
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地主さん
競馬好きのゴールのような気がしますね