STORY 8 宮崎育成牧場 Miyazaki Yearling
Training Farm
取材後記

宮崎県宮崎市のほぼ中央に位置し、温暖な気候を最大限に活かして競走馬の育成を行う宮崎育成牧場。
ここはかつて宮崎競馬場だった場所で、近年では2021年の北九州記念(G Ⅲ)を制したヨカヨカの育成牧場としても知られている。
また、敷地内には、今年(2023年)リニューアルオープンした「ウインズ宮崎」や「馬のいる公園」も併設されており、地域の方々の憩いの場にもなっている。

競馬ファンとして、アスリートとして。
萩野公介が宮崎の地を訪ねた。

JRA宮崎育成牧場という施設

———本日は宮崎育成牧場にて、様々な場所を見ていただきました。来場されたのは今回が初めてとのことですが、宮崎育成牧場全体の印象はいかがでしたか?

宮崎駅からほど近い街中に、東京ドーム6.5個分もの広さの牧場があることにたいへん驚きました。
九州南部に位置するため気候は年間を通じて温暖ですし、それにより青草が一年中育つ環境にあるのは大きな利点だなと思います。
ウインズ宮崎や馬のいる公園のような、家族連れなどで楽しめる施設があるのも良いですね。
地域に根差した施設という印象を強く持ちました。

ヨカヨカの育った牧場

———宮崎育成牧場は、熊本産馬初の重賞勝ち馬であるヨカヨカも育った九州産馬育成の中心地でもあります。

日高育成牧場と同様に、宮崎でも、馬にとってより良い環境を整えるために日々努力をされているのだと感じました。
こういった努力の積み重ねが、九州における馬の生産、ひいては競馬界全体を発展させていくことに繋がっていくのだと思います。
近年ではヨカヨカが人気馬となり、九州産馬が注目されて、僕自身も九州の馬、北海道の馬など、生産地や育成地を意識するようになりました。
今回、そのヨカヨカが育成された地に来ることができて嬉しかったですし、貴重な経験となりました。

奇跡の再会

———朝の集牧では、日高育成牧場で引かれた馬との奇跡の再会がありましたね。

今回、それが一番ビックリしました!
偶然では済まされない、まさに奇跡でしたね。

僕自身、この「THE STORIES」を通じて競馬に携わるいろいろな人と知り合うことができて、「馬と人」はもちろん「人と人」など、様々な「繋がり」を感じています。
栗東トレーニング・センターのロケ(STORY 6)で福永調教師もおっしゃっていたのですが、競馬は「点と点」じゃなく「線」なんです。ひとつひとつが独立しているのではなく、いろいろなことが繋がり合って競馬が成り立っています。
今日、奇跡の再会があったことで、単発の「STORY」ではなく物語が繋がっていく「STORIES」であることを改めて実感でき、すごく感動しました。点じゃなくて線。これこそ競馬の奥深さですよね。

当歳時に日高で引き、1歳時に宮崎で引いたあの栗毛馬のデビューする日が来たら、そのレースは絶対に観に行きたいですし、この「線」をさらに繋いでいきたいと思います。

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