まだまだ復興途上だった石川県
——今回、能登半島地震や能登豪雨災害の被災地である石川県に来られてその様子を目の当たりにされましたが、どのようにお感じになりましたか?
被災状況をニュース映像で見てはいましたが、交通網などの県内各地の状況をこの目で見て、石川県の皆さんがいかに大きな困難に直面しているか実感しました。
例えば、隆起してひび割れている地面、車線規制して迂回を避けられない高速道路、倒壊した家屋など、目の前で見ると言葉がありません。
被災された皆さんは本当に怖かっただろうなと思います。
この困難を乗り越え、復興していこうと頑張っている方々も多くいらっしゃいますし、大それたことは言えませんが、今回のロケがほんの少しでも復興の手助けになると良いなと思っています。
——金沢駅から車で移動し、まだまだ復興途上の珠洲市を訪れていただきました。この地に引退競走馬を活用した牧場があることはご存じでしたか?
今回ロケ地となった珠洲ホースパークについては、以前から注目し、応援していました。
実は、同牧場が関わっていて、「馬と社会の新しい関わり方と馬の新しい役割をみんなでつくる」というコンセプトを持つコミュニティサイト「みんなのウマ」の会員にもなっているんです。
そんなこともあって、今回、「THE STORIES」でロケをする機会をいただけて素直にうれしかったです。
——以前から「引退馬支援」について興味をお持ちだったんですね。
競馬というスポーツを好きになると、馬という生き物をいとおしく思うようになりますよね。
ホースマンではない僕が、どうやったら馬たちの力になれるのか——特に近年は引退競走馬がクローズアップされることも多いですが、あまりにも問題が大きすぎて、一個人にできることなどあるのかと自問自答したりすることもありました。
ただ、いくら考えても自分だけで解決できることではないので、まずすでにあるこういった活動に興味・関心を持つことからはじめようと思ったんです。
そして、さらに一歩踏み出してこういった引退馬支援をしている施設に来て、お話を伺ってみて、自らが感じたことや実情を周りの人たちに伝えたい。
自分にできるのはそういうことかな、と思うに至りました。
——ほんの小さなことでも、何かを始めなければ何も起こらない。だから、できることから始める、ということですね。
自分にできることを、少しずつでも構わないので継続することが大事だと思います。
この「THE STORIES」を通じて、引退競走馬を支援する事業があること、そのために尽力されている方たちがたくさんいるということを皆さんに知っていただきたい。
それがスタート地点かなと思います。