生徒さんとの触れ合いを通して感じた「覚悟」と語った「夢」
———厩舎作業中に生徒さんとお話しさせていただく時間がありました。どんな話が印象的でしたか。
最初に驚いたのは担当する馬の多さです。一人一頭なのかと勝手に想像していたけど、生徒一人で平均3頭を担当しているとのこと。それを早朝から馬房の清掃や、馬の健康チェック、練習終わりのケアまで。馬と対話するように手入れをされていたのが印象的で、馬との距離がとても近いと感じました。
今年4月に入学された騎手課程41期生の上里
直汰さんは、乗馬も未経験という経歴。JRAさんの競馬学校は倍率15倍という狭き門と聞いていましたけど、経験者でなくても入れるということにとても驚きました。今日1日、上里さんのトレーニングも見させてもらいましたが、入学から間もない今の時点では、騎乗技術に差があるのかもしれません。しかし、未経験ながら周囲に追いつこうと、とてもひたむきに取り組んでいて、人一倍努力しているのだなというのを強く感じました。
騎手課程40期生の大江原 比呂さんは藤田
菜七子さんに憧れて騎手を目指されたということで、印象的だったのは彼女の目。競馬学校を卒業して、その後プロとしてやっていくということ。それがどれだけ難しく、厳しい世界であることかを、いま競馬学校の日々の中で、肌で感じているのでしょう。そこにチャレンジする決意と覚悟を、彼女の目から感じました。
———トレーニングのあとも生徒さんたちと夢について語りあっていました。
生徒さんたちから「競馬関係者から愛される騎手に」という言葉が出ていたのが印象的でした。競馬の世界では一人では勝てない。厩務員さんがいて、調教師さんがいて、馬主さんがいて、馬がいて、応援してくれる家族や友達がいて。多くの人に支えられて、いま夢を追いかけている。そういったことも競馬学校で学んでいるからこそ出る言葉だと思います。
夢を自分の口から言葉にする。それがすごく大切だと思います。僕もそれを聞けてうれしかったですし、短い時間ですけど一緒に過ごして、ここにいる生徒さんたちがデビューする日を、今から心待ちにしています。