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朝日教官

優たちが通う競馬学校教官。独特な口調で優たちの指導にあたる。

有村 優

レースに心を打たれ競馬学校に入学した、元有名アイドル。

目次

  • レースは芝、ダート、障害の3種類
  • 頂点を争う大レース「GI」
  • 雨でもレースは行われる
  • 全国10の競馬場

レースは芝、ダート、障害の3種類

ナウ、ここからは、いよいよ「レース」の話だ。JRAのレースは、だいたい毎週土曜と日曜に、2~3ヵ所の競馬場で行われている。

1年中、週末はいつもレースが開催されてる印象です。

ザッツライト。年末年始を除いてほぼ1年中だ。

1日のレース数も多いですし、騎手もずっと乗り続けてるイメージがありました。

基本的には1つの競馬場で1日12レースだ。出走できる頭数はコースにより上限があって、どんなに多くても1レースで18頭まで。一流騎手は騎乗依頼も多いので、そのうち9レースや10レース乗るのは当たり前になっている。

たくさん勝つには、まずはたくさん騎乗を依頼してもらえるようにならなきゃですね……。

そのためには、何をおいてもスタディ&トレーニングだぞ。レースの種類は、芝コースを走るレース、ダート(砂)コースを走るレース、そしてハードルなどの障害物を飛びながら約3000~4000mの長い距離を走る障害レースの3つがある。

芝コース

ダートコース

障害コース

芝やダートのレースは、いろいろな距離がありますよね。

1000mから3600mまで、人間でいえば短距離走からマラソンまでいろいろ用意されている。馬によって得意なコース・距離は違うんだ。もちろん騎手はどんなレースだろうと、状況に合わせて乗らなければならないぞ。

頂点を争う大レース「GI」

ここではレースの「クラス」についてトークしよう。初めてランする馬同士のレースは「新馬」。走ったことはあるがまだ1度もウィンしたことがない馬同士が「未勝利」。1勝している馬のレースは「1勝クラス」で、そこから「2勝クラス」、「3勝クラス」と上がっていく。

勝ち抜き戦みたいなシステムですね。3勝クラスを勝った馬は、次はどうなるんですか?

一番上の「オープンクラス」のレースで戦う。このクラスの中でも賞金の高い「リステッド」があって、さらにその上が「重賞」だ。重賞にはグレードがあって、下から「GⅢ」、「GⅡ」、そして頂点が「GI」となる。

いわゆる「ピラミッドの頂点」がGIレースだ

日本ダービーとか天皇賞とかですね。

イエス。JRAのGIは障害レース(J・GI)を入れて26レース。ダートのフェブラリーステークスや、芝の短距離のスプリンターズステークス、3歳の牝馬だけで争う桜花賞など、いろいろなカテゴリーにGIが用意されている。

やっぱりGIは賞金も高いんですか?

聞いてドント・サプライズ! 最高はジャパンカップと有馬記念で、2021年の優勝賞金は3億円、2022年は4億円だ。賞金を得た馬主は、原則調教師に約10%、騎手と厩務員に約5%ずつ(障害レースの騎手は約7%)を進上金としてそれぞれ支払う。

有馬記念の優勝賞金は2021年は3億円、2022年は4億円にものぼる(写真は2017年有馬記念を優勝したキタサンブラック)

すごい! ということは、有馬記念を勝った騎手はその1レースだけで貰えるお金が約2,000万円ですね。夢があります!

雨でもレースは行われる

レースが実際にはどんなふうに行われるのかを教えてください。

すべての馬が準備できたのをスターターが確認する。スターターの合図で、ゲートの扉が一斉に開くと同時にスタートする。

スターターが全馬の準備ができたのを確認してからスタートが切られる

ゲートの何番にどの馬が入るのかはどうやって決まるんですか?

抽選だ。馬番号は内側から1番、2番と順に振られ、馬番号は馬が着けるゼッケンに記される。またそれとは別に、全馬を1~3頭ずつ8つの「枠」にグループ分けして、その枠番号は1枠がホワイト、2枠がブラックというように騎手が被る帽子のカラーで示される。

レースを見る人は、ゼッケンの番号、騎手の帽子の色、そして騎手の勝負服で馬を判別するわけですね。ところで、雨が降ったらレースはどうなるんですか?

雨でもレースは行われる。コースの状態は含水率によって、良、重、重、不良と4段階で発表される。ドライな良馬場が得意な馬や、ウェットな重馬場になると強い馬がいるところも競馬の面白さの一つなんだ。

馬によって濡れた馬場の得意・不得意がある(写真は2021年高松宮記念のダノンスマッシュ)

そうですね。自然の中で行われるのが競馬の醍醐味ですから。

ただ気象状況によって馬や人にとってデンジャーな場合や、交通機関に影響が出る場合などは延期、中止されることもあるぞ。

全国10の競馬場

JRAの競馬場は全国に10ヵ所ある。全部言えるかな?

えっと……札幌、函館、福島、新潟、中山、東京、中京、京都、阪神、小倉です。

JRAの競馬場は全国に10カ所ある

ザッツライト。これらはみんな大きさをはじめ、特徴がディファレントだ。例えば左回りは新潟、東京、中京の3つで、あとは全て右回りだ。最後のストレートコースが最もショートなのは函館の262.1m、ロングなのは新潟(外回り)の658.7mで函館の2.5倍近くもある。直線に上り坂があるのは中山、東京、中京、阪神だ。

そんなにいろいろ違うんですね。共通している部分もあるんですか?

レース前に馬を曳いて歩かせて観客に見せる「パドック」という場所は全ての競馬場が備えている。外側が芝コース、内側にダートコースというのも共通だ。

どの競馬場も、コースの脇にゴールまで残り何mあるかを示すための、数字が書かれた棒が立っていますね。

イッツ、「ハロン棒」というものだ。「12」は残り1200m、「4」なら残り400mだ。

残りの距離の目安となるハロン棒(写真は残り200m地点の位置)

そういえば、競馬はゴールに線などが引かれていないですね。

イエス。その代わり、コースの内側にゴール板がある。騎手はゴール板の場所のフィーリングを体に覚え込ませないといけない。なにしろ馬はどこがゴールなのかわからずに、ランしているわけだからね。

しっかりと感覚を覚えて、乗れるようになります!

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