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朝日教官

優たちが通う競馬学校教官。独特な口調で優たちの指導にあたる。

有村 優

レースに心を打たれ競馬学校に入学した、元有名アイドル。

目次

  • 馬は甘いものが好き!?
  • サラブレッドの一生
  • 競走馬が暮らすトレーニング・センター
  • 調教コースには様々な種類がある

馬は甘いものが好き!?

ネクスト・レッスン!馬に乗るテクニックを磨くことも大切だが、ユーたちが騎乗するサラブレッドについてもスタディしておこう。

はい! そもそも「サラブレッド」は通常の「馬」とは結構違うんですよね。

馬にはアラブ、ポニーなどいろいろな種類がいる。その中でサラブレッドは、速く走るために人間が300年以上かけて交配を重ね、品種改良してきた馬のことをいうんだ。ちなみにサラブレッドの毛色は、茶色っぽい鹿毛(かげ)や栗毛、黒っぽい青毛や黒鹿毛など8種類。真っ白な白毛の馬もいるぞ。

視力や聴力も、相当発達していると本に書いてありました。

イエス。馬は目と目の間が広く開いているので、視野がベリー・ワイドだ。約350度、つまり自分の後ろまで見えている。耳もベリー・グッドで、人間が聞き取れない超音波もリスニングする。情報をキャッチするため、耳の方向をくるくるとムーブすることもできるんだ。

ところで、馬の睡眠時間ってどのくらいなんですか?

睡眠は一日3時間くらいで横になってスリープするが、それ以外にスタンドしたままスリープすることもできる。ちなみにサラブレッドの寿命は20~30年。人間と比べるためには、3歳までは年齢を5倍、以降は1年につき3歳ずつ加えると、人間の年齢と近くなるぞ。

食べ物は、やっぱりニンジンが好きなんですか?

フフ、シンプル・クエスチョンだね。草食動物なので中心は草や麦などの穀物だけど、もちろんキャロットやアップルもフェイバリットだ。じつは馬はスウィートなものが大好きなんだよ。

飼い葉を食べる様子

へえ! 甘いものが好きなんて意外でした!

サラブレッドの一生

サラブレッドは早ければ2歳で競走馬としてデビューして、6~8歳までには多くの馬が引退していく。ちなみに馬の年齢は誕生日にかかわらず、毎年1月1日に、1年プラスされるんだ。人間でいう、数え年の考え方と同じだ。

サラブレッドはみんな北海道で産まれるんですか?

生産牧場は確かに北海道に多いが、本州や九州にもある。繁殖牝馬(はんしょくひんば=母馬)が産むのは1年に1頭で、春に種牡馬(しゅぼば=父馬)に種付けされ、その1年後に仔馬が産まれる。

それが2年後には、もうデビューなんて……。馬の成長は早いですね。

競走馬になるためのトレーニングは、育成牧場と呼ばれる場所で1歳の秋くらいにスタートする。まずは鞍を背中に置き、人を乗せるのに慣れるところから始め、徐々に走ることを覚えていく。そうやって、ゆくゆくはレースで騎手が乗れるようになるんだ。

競走馬になるための訓練の様子

そうやって、立派なサラブレッドになっていくんですね。

競走馬が暮らすトレーニング・センター

JRAの競走馬は、「トレーニング・センター」という場所でトレーニングしていることは知っているかな?

みんなが「トレセン」って呼ぶところですよね。

ザッツライト。約8000頭が、東は茨城県の美浦(みほ)、西は滋賀県の栗東(りっとう)にある2つのトレセン内の厩舎に所属して、そこで調教されているんだ。

厩舎って、すごくたくさんあるんですよね。

美浦トレセンと栗東トレセン、いずれも約100名の調教師がいて、それぞれが自分の厩舎を構えている。そこで馬主から預かった馬をスタッフとともに管理し、調教しているわけだ。

トレセンには他にどんな仕事の人がいるんですか?

診療所には獣医師がいて馬の怪我や病気を診てくれるし、蹄鉄(ていてつ)を作って馬の脚に付けてくれる装蹄師(そうていし)もいるね。

馬の靴のようなものである蹄鉄を装着する装蹄師

たくさんの人が関わっているんですね。蹄鉄は、人間でいえば靴みたいなものですよね。

イエス。馬の脚先の蹄(ひづめ)を保護するため、鉄やアルミニウムでできた蹄鉄を、釘や接着剤で付ける。トレーニングをしているうちに擦り減ったらチェンジするんだ。

なるほど。馬が走ることって、金属が擦り減るくらい激しい運動なんですね。

調教コースには様々な種類がある

馬のトレーニングである調教は、「調教助手」と呼ばれる厩舎のスタッフが乗って行われることが多い。バット、レース直前の「追い切り」と呼ばれる本番さながらの調教では、騎手が乗ることもあるぞ。

騎手はレースだけでなく、調教のことも知っておかないといけないんですね。

イエス。ミスター有村も他人事じゃ無いぞ。トレセンには様々な調教コースがある。芝、ダート(砂)、木の小片を敷き詰めクッション性の高いウッドチップ、排水性・保湿性・弾力性に優れたニューポリトラック、ハードな坂道でトレーニングする坂路。さらに脚元に負担をかけず心肺機能を鍛えられるプールもあるぞ。

意外と馬も上手に泳ぐことができるためプール調教も取り入れられている

そんなにたくさん! 調教のメニューを考えるだけでも大変そうです。

それを考えるのが調教師だ。調教で馬を鍛え、レースへ向けて仕上げていく。馬主と相談して、どの騎手を騎乗させるのかを決めたりもする。

僕たちも調教師さんたちに信頼されるよう、レースに向けて腕を磨かなければいけませんね。

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