競馬学校とは?
はい、教官。僕たちが入学したのは騎手になるための騎手課程です。一方で厩務員課程は馬を管理、調教する「厩舎」で働くスタッフになるための勉強をするところです。
競馬学校では厩舎にいる馬の世話をしながら、馬についての理解を深めていく
ザッツ・ライト。騎手課程は3年間だが、うち1年間は現役競走馬のいるトレーニング・センターの厩舎へ配属されて厩舎実習を行うことになる。
それ以外の2年間は、競馬学校の寮で生活するわけですね。
イエス。競馬学校の場所は千葉県白井市。昔、ここには現役競走馬の厩舎があって、その跡地を利用して1982年に競馬学校がスタートした。
敷地総面積はおよそ東京ドーム5~6個分! メニーメニーの施設とともに、もちろん馬がランする馬場もそろっているぞ。
競馬学校の敷地面積はかなり広く、いくつもの馬場を備えている
騎手の訓練にも厩務員の勉強にもオフコース、馬が必要だからね。リタイアした元競走馬たちが、ユーたちのスタディをヘルプしてくれる。仲良くするんだぞ!
受験は高校入試前にチャレンジが可能
競馬学校の騎手課程は毎年、入学試験を行い、4月1日付でユーたちのような新入生を迎えている。応募資格は、入学時点で15歳以上20歳未満までだ。
ということは、中学校を卒業して入学というのがいちばん早いパターンですね。
夏の1次試験で身体検査、運動機能検査、学科試験、面接などを行いました。うまくいったかどうかは、わかりませんけど……。
ハッハッハ、合格したんだからドント・ウォーリーだ! ちなみに様々なスポーツ分野でベリースペシャルなレコードを持つ「スポーツ特別入試制度」の対象者は、1次試験の運動機能検査が免除になる。
秋の2次試験では、騎手に求められるバランス感覚などの身体能力のテストがありました。進路のことを考えると、だいぶ早い時期ですけど、翌春の高校入試の前にチャレンジして合否がわかるようにスケジュールが組まれてるんですよね。
オー、ベリー・カインド・システム! あとは応募資格には体重や視力の条件もあるから、願書を出す前によく要項をベリー・ケアフリー・チェックだ。
僕みたいに乗馬経験がほとんどない受験生も多いんですか?
オフコース! 乗馬経験はあって困ることはないが、たとえ未経験だったとしても競馬学校で学んで、現役で活躍している騎手はいるからノープロブレム。ただ自分が馬と接するのが苦手ではないことを確かめておくのは大切だ。
晴れて競馬学校に入学した生徒たちは喜びでいっぱいだろう
騎乗訓練や学科の他の授業も!?
さて、いよいよ学校生活がビギンするわけだが、ユーたちはどんな授業が楽しみかな?
騎乗訓練の授業はもちろんあるが、かといっていきなりレースができるわけじゃないぞ。まずは乗馬のベーシックからステップを踏んでいき、やがて3年目の「模擬レース」で実践的な騎乗技術をスタディすることになる。その時の教官は、乗馬の一流選手や元騎手など、スペシャルなティーチャーばかりだ。
わあ、楽しみです! 実技の他にはどんな授業があるんですか?
学科では、騎手に必要な知識をはじめ、社会人として恥ずかしくない教養を身につけてもらう。アスリートとしての体を作るフィジカルトレーニングや、メンタルトレーニングの授業もあるんだ。
競馬学校の一日
バイ・ザ・ウェイ! ここでは競馬学校のワンデイを朝から順を追って紹介しよう。まずはモーニング、5時30分に自分の体重を量るところからスタートだ。
体重の管理は騎手として最も大事なことの一つですからね。食堂の入口のボードには全員の体重推移表が貼られていて、ここに自分で記入します。やっぱり朝は早いですよね。
基本、馬に合わせた生活をしているからだ。6時からは厩舎で馬の世話。各自2頭の担当馬がいて、馬房のクリーニングや馬の健康チェックを行う。フィニッシュしたら食堂でみんな揃ってブレックファーストだ。
季節によってはまだ暗い早朝から厩舎で馬の世話をする
授業は、午前中が主に実技、ランチを挟んで午後は学科。そして授業後はまた厩舎作業を行う。その後、ディナーを含めた5時間ほどがフリーなタイムになる。
自由時間はみんなどういう風に過ごしてるんでしょう。僕は本を読んだり、音楽を聴くかなぁ。
寮の中ならテレビを見ようが音楽を聴こうが基本は何をしていてもOKだ。ただし外出はNG。この時間を活用して自分に足りないトレーニングや学科の勉強を自主的にしているスチューデントもいるぞ。
見習いたいです。プロになるためには、そのくらい努力が必要ということですね。
寝食をともにする同期は、かけがえのない仲間であるとともに、騎手になったらライバルでもある。切磋琢磨して、実りあるスクールライフを送ってくれることを願っているよ!